芋焼酎についての豆知識

日本を代表する醸造酒が「日本酒」ならば、日本を代表する蒸留酒は「焼酎」です。

焼酎は原材料や素材の種類、仕込み方法などの組合わせが豊富で、「味わい」や「香り」などのバリエーションが多いのも魅力です。

今回は、焼酎の中でも特に人気の芋焼酎についての豆知識をご紹介したいと思います。

1.実は「でんぷん」が少ないさつまいも

一般的に「でんぷん」の多い作物と思われがちですが、芋焼酎の主原料である「さつまいも」などの芋類は、米や麦などの穀類よりも少ないのが特徴です。穀物のでんぷんの含有量が60~70%に対し、芋類は25%前後です。

でんぷんはアルコールを造り出すために必須の成分です。芋焼酎では、さつまいものでんぷんだけでアルコールを造り出すのは不十分なので、その不足分を補うために米や麦などの穀類で造った「麹」を使用しています。

芋焼酎ですが、芋麹を使用している「全量芋焼酎」はごく少数なのです。

2.芋焼酎の仕込みは8月末~11月限定

芋焼酎の仕込みの時期は、さつまいもの収穫時期の8月末から11月にほぼ限定されています。

理由は、さつまいもはとても傷みやすいためです。傷んださつまいもで焼酎を造ると「臭み」が出ます。ひと昔前の芋焼酎が臭かった原因は、傷んだり鮮度の悪いさつまいもを使用していたからです。

つまり、いい香りの芋焼酎を造るには収穫してすぐに焼酎を仕込むことが必要なのです。

3.「食用さつまいも」と「焼酎醸造用さつまいも」の違い

形状的な特徴として、食用さつまいもは表皮が赤く細長いものが多く、醸造用のものは表皮が白や淡黄色で太く丸いものが多いのが一般的です。

また、食用品種は醸造品種よりも水分を多く含み、糖度も比較的高めです。

4.芋焼酎造りに使用される「麹」の種類

焼酎を造るためには、麹が不可欠です。麹は一般的に米や麦などの穀物を蒸して、それに麹菌を振りかけて付着・培養することで造られます。そうして出来るのが「米麹」や「麦麹」です。

芋焼酎の仕込みに「芋麹」を使わず、「米麹」や「麦麹」を使う理由は、さつまいもは蒸すと固まる性質があり付着させた麹菌が内部に入り込みにくいため、芋麹造りは難しくコストがかかるためです。

米や麦、芋との原料比は焼酎の種類で異なり、その比率の違いも味わいの違いの要因となります。

5.焼酎醸造用さつまいもの主な種類と特徴

コガネセンガン:
でんぷん含有量が多く、収穫量も多い品種で表皮は黄褐色で肉色は淡黄色。甘みのあるコクと、喉ごしの良さをもつ芋焼酎ができる。

シロユタカ:
でんぷんの含有量はコガネセンガンとほぼ同程度。すっきりとした甘さをもつ淡麗な味わいの芋焼酎ができる。

コナホマレ:
でんぷん含有量が非常に多く、焼酎用として利用される。スッキリとした香りと甘みでまろやかな口当たりの柔らかい芋焼酎ができる。

ダイチノユメ:
でんぷんの含有量がは多いため、最近焼酎造りに使用されることが多くなってきている品種。柑橘系の香りが強く、フルーティーでキレのある芋焼酎ができる。

ときまさり:
でんぷん含有量が多く、醸造適性に優れた品種。芋の風味が強いので芋の香りが際立ち、独特の甘みとコクのある芋焼酎ができる。

ジョイホワイト:
でんぷんの含有量が多く、醸造適性に優れた品種。フルーティーな香りと淡麗な味わいの芋焼酎ができる。芋焼酎が苦手な人でも飲みやすい焼酎が醸されると、人気が高い品種です。

以上が、芋焼酎についての豆知識です。

芋焼酎とひと口にいっても、素材の組合わせや配合などさまざまなものがあります。特に芋焼酎の味わい、香りなどには使用されている素材の特徴が表れます。

多種多様な個性をもつ芋焼酎を飲み比べてみるのも、焼酎の楽しみ方の一つではないでしょうか?

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